600039_373440429385903_1014163486_n
山形の人はイカのゲソ(下足)をよく食べる、というのは有名な話ですが、私の知る限りでは「ざるそばにゲソ天」という食べ方がポピュラーなのは山形県のなかでもとくに山形市中心の内陸地域のみ。たとえば「蕎麦街道」で有名な村山地区や次年子(じねんご)のあたりの蕎麦屋でゲソ天を出しているという話はあまり聞きません。庄内地方でもやっぱりゲソ天は見かけません。おそらくゲソ文化は、山形市中心の内陸部に限ったハナシなのではないか、という気がします。そのなかでも、歴史ある風格の蕎麦屋ではなくて、庶民的食堂のような蕎麦屋さんにあるメニューのように思います。

写真のイカは、山形県の海・庄内浜で水揚げされた夏のスルメイカ。海のない県と思われがちな山形県ですが、海の恵みの恩恵を受けています。ですが、おそらく、山形市内で長く食されてきたイカゲソは、この地元庄内浜のものではなく、三陸や北海道方面のものだったろうと思います。地産地消が謳われだす以前は、庄内のものはあまり流通しませんでした。

山形のゲソ天文化は、もしかしたら、海産物が高級品とされた時代のなごりなのかもしれません。天ぷらのタネとしては上品さに欠けるかもしれません。でも、確実に文化として根付いてしまった。じつに旨いものなのです。

やま七(山形市)のゲソ天はこちら。