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山形の牛肉はとてもおいしい、と言われます。有名どころでは、米沢牛。山形牛。かつては米沢牛が圧倒的な人気だったようですが、最近は山形牛の人気も非常に高い気がします。2015年には「赤身肉」ブームなどがあって、『一個人』とか『東京カレンダー』とかいろいろな雑誌が牛肉を特集しましたが、そうしたものを読んでみても、有名な飲食店などで山形牛の人気が高いことが伝わってきました。山形の旅館やホテルでも、夕食に山形牛のしゃぶしゃぶやすき焼きを提供するところがいろいろあるはず。ぜひ、観光などで山形にお越しの際は、その味わいを楽しんでいただきたいです。

先日、「蔵王牛」の取材に行ってきました。場所は、宮城県白石市。先述の「米沢牛」「山形牛」とは牛の種類が違います。「蔵王牛」は交雑種。「米沢牛」「山形牛」は黒毛和牛。牛肉の味わいは、血統と餌と環境といわれており、とくに血統はとても重要ですから、交雑種と黒毛和牛とはやはり肉質が違います(黒毛和牛のなかでもまた血統によって肉質が違ってくるわけです)。黒毛和牛の特徴はきめ細かい「サシ」。交雑種はそれに比べるとサシは少なく赤身に近いようです。交雑種とは、黒毛和牛とホルスタインの掛け合わせですから、当然といえば当然なのです。

山形牛、米沢牛に比べると「蔵王牛」はそれほど有名ではないかもしれませんが、それもそのはずで「蔵王牛」は宮城・山形で牛の生産をしている高橋畜産という会社のオリジナルブランドであり、地域ブランドとはちょっと違います。知る人ぞ知る生産者限定のブランドです。コンセプトは、「交雑種の最高峰」。黒毛和牛ほどにはサシがないため、かえって、脂に飽きることなく、たくさんのお肉をモリモリと食べることが出来る。それでもほどよくサシがあるため、肉の弾力、旨み、甘みを楽しむことが出来る。さらには、赤身肉の野性味ある味わいも楽しめる。味わいとボリュームとコストパフォーマンス、そうしたバランスが非常によいおい肉です。

牛舎での牛たちは、すくすくと健康に育つようにと大切に育てられています。体は大きいけど、牛たちはとてもデリケートで、外部環境の変化などには非常に敏感に反応しまうので、そうしたものはストレスになってしまう。牛舎の環境、食べ物、日の光、いろいろな要因を考慮しながら、できるだけ気持ちよくストレスのない環境をつねに整えてあげるのが、牧場の人たちの腕のみせどころだそうです。

こういう食の現場に来てみると。。。。 あたりまですが、「肉」とはたんなる物質ではありません。それは命が宿っていたものです。その命のきらめきをいただいて僕らは生きている。蔵王牛のおいしさにも、それはあります。食べ物は、ありがたく、恵みに感謝して、いただく。それは人間としての、あるいは生き物としての、基本的な態度でなければならないな。そう思います。「おいしさの追求」とは、それ自体、非常な贅沢なのだな、とあらためて思う次第です。